主人公はスサノオ

 霊界物語の主人公はスサノオである。「素盞嗚尊」「須佐之男命」「神素盞嗚大神」など色々な名前で出てくる。
 スサノオは王仁三郎の神霊でもある。
 古事記ではスサノオは高天原で乱暴を働いた粗暴な神であり、出雲で八岐大蛇(やまたおろち)を退治した英雄神でもある。いずれにせよ荒々しいイメージで描かれているが、霊界物語ではスサノオは救世主であり、地球人類を喰い荒らす八岐大蛇を言向け和して「みろくの世」(地上天国)を創って行く。スサの別名は、みろくの大神と言い、また伊都能売(いづのめ)の大神と呼ぶ。

 ドラマは「国祖隠退」から始まる。国祖・国常立尊(こくそ・くにとこたちのみこと)は地球を造った神霊だ(注・大宇宙の創造神ではない。Godに相応する神は大国常立尊と呼ぶ)。
 太古の神代の昔は、国祖が地球神界の主宰神として世界を統治していた。しかし国祖を排除して自分の意のままに世界を支配しようとたくらむ悪神が生じて、陰謀の結果、国祖は主宰神の地位から追放されてしまう。そして世界の艮(東北)の方角に押し籠められ、「悪神」「祟り神」と忌み嫌われるようになってしまった。それから「艮の金神」(うしとらのこんじん)と呼ばれるようになる。
 明治25年に出口ナオに懸かった神霊は、この神である。
 三千年とも三十五万年とも言われる長い長い歳月が経ち、再び艮の金神=国常立尊が表に出てくるときがきた。世界を立替え立直して昔の神代に戻す(=みろくの世を建設する)時が到来したのである。
王仁三郎が揮毫した素盞嗚尊と国常立尊
王仁三郎が揮毫した書画 【左】素盞嗚尊 【右】国祖・国常立尊
 霊界物語には国祖がどのような経緯で隠退することになったのか、「国祖隠退」の物語が第1巻から4巻までの間に書いてある。
 国祖隠退後の地球は天変地異が多発して、567日間、大地震・大洪水が続いた。その挙げ句に、地球の地軸が傾き、現在のように23.4度傾くようになった。この「大洪水」の物語が5~6巻に書いてある。
 その後、イザナギ・イザナミの国生み・神生みの神業によって、地球は甦り、人類が地上に満ち溢れるようになった(人間が誕生したのは大洪水の後である)。
 しかし人類社会は利己主義(われよし)・弱肉強食(つよいものがち)の野獣のような社会となってしまた。ここに人類救済のために「三五教」(あなないきょう)が誕生する。
 スサノオは三五教の創始者ではないが、霊的最高指導者として「宣伝使」(せんでんし)たちを導いている。
 霊界物語はスサノオが主人公だが、しかし実際にはあまりスサノオ本人は登場しない。スサノオの手足となって、神の教えを宣べ伝える宣伝使がたくさん出てきて、地球各地で活躍するのだ。

 旅先で宣伝使たちは事件に巻き込まれ、悪人を言向け和(ことむけやわ)して、事件を解決して行く。そして自分もまた霊的に向上して行く。世界を言向け和す神教宣伝の旅は、宣伝使にとっては自分自身の霊性向上のための「身魂(みたま)磨きの旅」でもあるのだ。
天の浮橋と救いの鈎
大洪水のとき「天の浮橋」(あめのうきはし)から垂れ下がった「救いの鉤」(すくいのかぎ)によって神々は引っ掛けられ橋の上に救い上げられた。これは第5巻第23章「神の御綱」に挿入されている天の浮橋の図。
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