新コーナー「調査研究レポート」細かい話はこちらに載せます(9/2)

テーマは「言向け和す」

 霊界物語のメインテーマは「言向け和す」(ことむけやわす)だ。救世主スサノオが、ヤマタオロチを言向け和して地上に天国を築く物語である。

 ところで皆さんは「言向け和す」という言葉を聞いたことがおありだろうか?
 講演などで「聞いたことがありますか?」と参加者に尋ねてみると、半分くらいの人は聞いたことがないと答える。
 古事記に出てくる古来からある言葉なのだが、現代では日常的には使われていない。本や雑誌でも滅多に使われない。神道関係の本で多少使われる程度だから、聞いたことがなくてもむりはない。

 広辞苑で調べてみると、

ことむく」(言趣く・言向く)…ことばで説いて従わせる。転じて、平定する。

やわす」(和す)…(1) やわらかにする。(2) やわらげる。平穏にする。

と出ている。つまり「人の心を言葉で和らげて平和にする」というような意味になる。

 もともと「言向け和す」とは、日本神話で皇祖アマテラス大神が天孫ニニギノミコトを地上に降臨させるときに使った言葉だ。「地上を言向け和して一つにしなさい」と。
 つまり天下国家を語る時に使われる言葉なのである。荒ぶる神々(民衆)を暴力で平定するのではなく、言葉で和して平定しなさい、そして地上を統一しなさい──というミッションを与えて、天孫を降臨させたのだ。
 そのミッションを継承したのが天皇であり、そのミッションを実現するために建国されたのが日本である。
 しかし実際の歴史はどうだろうか? 神武天皇も日本武尊も、暴力で国津神を平定してきたことは、古事記・日本書紀を読めばわかることだ。大日本帝国にしても、アジア諸国を暴力で従えようとしたのだし、日本侵略をたくらむ米英の列強に暴力で対抗した。
 決して「言向け和」してきたとは言えない。
 建国の精神とも言うべき「言向け和す」を、日本は忘れてしまったのだろうか?

 しかし私たちの生活を見ても、「言向け和す」とは真逆のことをしてしまうことが多いのではないだろうか?
 何か不愉快なことがあると、怒ったり、怒鳴ったり、ときには手や足が出てしまうこともあるかも知れない。
 他人を和すどころか、怒らせたり、怖がらせたり、悲しませたり──そうやって仲が悪くなり、対立し、その挙げ句にケンカ別れしたり、いがみ合ったり憎しみ合ったり、そんなことを繰り返しているのではないだろうか。
 小は夫婦ゲンカから大は国家の戦争まで、この世は闘争と憎悪に満ちている。
 そんな世の中だから、日本が長い間「言向け和す」というミッションを忘れてしまってしまっていても仕方ない。
 その、押し籠められてしまったミッションを再び世に顕し復活させたのが王仁三郎なのである。

 私は「言向け和す」について研究を始めたとき、まず先人がどのようなことを言っているのか調べてみようと思った。国立国会図書館(ここには日本で発行されたすべての書籍・雑誌がある)に行って調べてみたのだが、驚くことに、「言向け和す」について探究した本は一冊もなかったのだ。広辞苑的な意味で使用している本はそれなりにあるのだが、「言向け和す」とはどういうことなのか、いったいどうすれば「言向け和す」ことができるのか、そういう実践的なことを研究した本は一つもなかった。かろうじて、古事記という文献上でどのように「言向け和す」という言葉が用いられているのかを研究した学者の論文があっただけだった。そんなことではとうてい、戦乱が続く天下を言向け和すことなどできやしない。

 これには本当に驚いた。古事記編纂以来、今日まで1300余年間、ただの一人も「言向け和す」を探究した人はいなかったのだ。
 いや、一人だけいた。それが出口王仁三郎だ。
 王仁三郎は「天皇に反逆した」などと難癖を付けられて弾圧されたのだが、実は皇祖が与えたミッションに一番忠実だったのが王仁三郎なのである。
 そして、そのミッション「言向け和す」をテーマに全81巻の本を書いた。それが霊界物語である。

 しかし霊界物語は物語形式で書いてあるため、実際に「言向け和す」が使えるようになるためには、さらに現実世界の出来事に落とし込んで研究する必要がある。
 それで2011年頃から「言向け和す」の探究を開始したのだ。

 「言向け和す」とは「他人に何かをして欲しいときに、暴力的な方法で強制するのではなく、双方の和合によって達成させること」と定義づけることができる。これは「戦わなくても世の中を良くできる方法」だとも言える。

 まだまだ探究途上であるが、現在までの成果は拙著『超訳 霊界物語 ~出口王仁三郎の[世界を言向け和す]指南書』(太陽出版)や、サイト「言向け和す」を見ていただきたい。これからもドンドン発表して行く予定である。

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